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第1話 EL CAMINO 記憶の旅

1児の母になり1年と7ヶ月。
遅ればせながら育児日記などを付けてみようと思う。
まずは記憶の旅。あぁ、あれは茹だるように暑い夏の日・・・・・

2004年(H16年)8月5日 ・ 午後6時03分 ・ 3776g ・ 男児出産
「手足の指ちゃんと20本ある?」これがnao(私)の第一声。
そして第二声、「男の子?女の子?」
性別を事前に聞かなかった私たち、”第一子は男の子!”、”顔はかわいくなくちゃ嫌!”、
”鼻だけはnaoに似てくれ!”、”目と口は絶対d.d(愛しのダーリン、良き父)!!”
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泣き声を聞いた瞬間、男か女かなんてどうでもよくなった。
鼻が潰れてたって、口がひどいタラコだって、
元気で、五体満足であればそれだけで幸せだ。親とはそういうものであろう。

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命名”華望”かみ、cami。
いくつかあった候補の中からd.dが決めた。
うん、いい名前だ。
華やかで希望に満ち溢れた人生を歩んで欲しい。ささやかな親の願い。
のんびり、ゆったり、人に優しく、たくましく、
華やかじゃなくても希望に満ち溢れてなくても、華望らしく生きてくれたら1番いいことだ。

妊婦生活は思う存分楽しんだ。
駒沢公園を優雅に散歩したり、自由が丘まで歩いてスウィーツフォレストに行ったり。
公園で泣き虫先生、山下慎二に会ってお腹撫でてもらったりもしたなぁ。
大きくなっていくお腹が不思議で愛おしくていつもさすっていた。
ツワリもそれほどひどくなく、食欲も旺盛・・・・・旺盛なんてかわいいもんじゃない、
食べツワリと騒ぎ立ててここぞとばかりに食いまくった。
camiはモスバーガーとドミノピザで作られたに違いない。
おかげで体重は17キロ増。もちろんひどい難産でした。

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出産予定日は7月30日。・・が生まれてくる様子は全くない。
そこでなんと高尾山へ登山をしに・・・
助産士の先生曰く山登りで陣痛を促すらしい。にしたって登山って・・
まぁ言われたとおり行って着ましたが、意外に余裕で登頂成功!
行ってすぐ上級者コースみたいなところを登っちゃってちょっと焦ったけど、
コース変更してからは二子玉の坂をチャリで上るより楽だった・・・ような気がする・・・
そしてその2日後、この世の終わりを感じさせるすさまじい戦いがはじまった。

8月3日夜、じくじくっという痛みと共に陣痛開始。
ついに来た!ワクワク。ドキドキ。・・・が一瞬で憂鬱に変わる・・・
間隔も広く、微弱ではあるもののとても耐えられる痛みではない。眠れない・・・
朝になり間隔は10分おき。タクシーで助産院に向かった。
間隔は狭まるものの赤ちゃんを押し出す最後の強烈な痛みはまだこない。
階段を上り下りし、近くの神社の参堂を何十往復もし、ベッドの上でのた打ち回ったが
まだまだ赤ちゃんは降りてこない・・・もう、死ぬほど痛いのに・・・
そしてまた夜が明けた。全く眠れず、食べ物も喉を通らず・・・
猫撫で声で話しかけるスタッフにイラつき、
癒しのためなのか、薄暗い照明とユルイBGMにムカムカし、
何事も起こらないまま朝を迎えた。意識はもうろうとしてきた。
この日もすることは昨日と一緒。でも体力はかなり落ちている。
夕方になりとうとう病院にいくことになる。
場所は台東区池之端。上野かよ!!!第1話 EL CAMINO 記憶の旅_f0079249_1942833.jpg
世田谷から上野まで、遠いよ・・・
~上野の病院になったのには訳がある。
  助産士の先生がお腹を切らずに生ませてくれる病院を探してくれたのだ。
  2日も苦しんでいると並の病院ではすぐに腹を切ってしまうらしい。
  あの時はその遠さを恨んだが、終わってみればありがたい。
  これぞ下町!といった感じのレトロで雰囲気のたっぷりある吉田医院。
車の中でものた打ち回った。痛くて痛くて・・・もうダメになりそうだった。
やっとのことで到着。すぐに処置をして陣痛誘発剤を打つ。
するとすぐに腹をえぐられるような激しい痛み!!ついに、ついに来たのだ!!!!!
たしかに痛みはすごかったがこの時は何とも言えない安堵感があった。
やっとこの苦しみから解放される。そんなところだ。
通常よりも薬の効きが早かったのか先生も看護婦さんも慌てて準備開始。
d.dに励まされながら3日目にしてやっと愛しのcamiに出会えたのでした。

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苦しみ続けた3日間、d.dはずっと傍にいてくれた。
精神面ではきっとnaoよりもずっとずっと辛かったであろう。
本当にありがとう。本当に本当にありがとう。
2人の小さな命、大切に育てていこうね。


そしてこの時、壮絶な出産を上回る、壮絶な育児が待ち受けていることに2人はまだきずいていない・・・
by happeacemile | 2006-03-05 02:15 | EL CAMINO 記憶の旅
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